うつ病診断のための診察について②

患者がうつ病であるかどうかを診断するためには、医師が主訴と患者の経過から情報を得て判断することが大切です。

ですが、うつ病というのはとても複雑な病気であり、それだけではうつ病と診断された後に、投薬治療をするのかカウンセリングがいいのかなど、有効な治療方針を決めることは難しいといえます。

患者の状態を改善に導くためには、以下の材料も踏まえ適切な診断と治療が必要でしょう。

③性格や考え方について

患者の人となりを最初の診察だけで全て把握することは不可能ですが、患者自身がどのような性格や考え方を持っているかを聞き出すことによって、うつ病であった場合はどのような治療がベストかを探ることができます。

極端にネガティブで自己評価が低い場合は「認知のゆがみ」として、カウンセリングなどで改善することがあります。

また性格によって、うつ病になりやすい性格やなりにくい性格があることが指摘されており、まじめで几帳面な「メランコリー親和型」や責任感が強く頑固な「執着気質」などがうつ病を発症しやすい気質と言われています。

④既往歴

患者の既往歴もまた、うつ病診断の指標となります。

疾患によっては、うつ病と似たような精神状態を引き起こすことが確認されており、パーキンソン病や甲状腺機能の低下、脳梗塞などが挙げられています。

また、がんなど重篤な病に罹患した場合、精神的なショックから二次的にうつ病を発症してしまうということもあります。

他の病気で治療している人は、現在使用している薬によっては副作用でうつの症状が出る「薬剤惹起性うつ病」であることも考えられるため、病歴の聴取は慎重に行うべきです。

⑤生育歴

本人の責任ではないので仕方ない部分でもありますが、胎児であった時に母体がストレスを受けていなかったか、また異常分娩で仮死状態で生まれてきたなど、誕生時のストレスがその後の精神状態に関係してくることがあるともいわれています。

性格形成がなされる幼少期の家庭環境が悪かったり、学生時代にいじめを受けていたなど、精神的に大きな傷を受けるようなエピソードがあった場合も発症に影響しているといえます。

⑥表情、態度、服装、身だしなみ

初診時の患者の表情や態度、服装、身だしなみといった外見上の特徴も、診断のひとつの参考になります。

うつ病に罹患すると入浴やおしゃれなどに気を配る余裕がないため、以前おしゃれできれい好きだった人が服に気を使わなくなった、お風呂に入らなくなったという場合はうつ病の可能性があります。