うつ病の診断はどのように下されるのか?

うつ病は科学的な検査を受けることである程度判明することがわかりましたが、今もうつ病の診断は医師の診察によるところが大きいといえるでしょう。

うつ病の診断には医師の診察は不可欠であり、それがグレーゾーンであったり他の疾患と区別するために科学的な検査を二次的に行うといった流れになります。

ここでは、医師がどのようにしてうつ病の診断をするのかを説明していきます。

【うつ病診断の流れ】

うつ病の診断は、主に3つの観点から行われます。

①精神科医の診察

精神科医に現在の心身の状況(気分の落ち込み、不眠、食欲がないetc…)を申告します。

診断において、もっとも重要なのは精神科による診察となるため医師は慎重に患者の訴えを聞き、観察する必要があります。

②診断基準との照合

診察で得た所見を元に、国際的な診断基準であるICD-10やDSM-5などのうつ病のガイドラインと、患者の症状を照らし合わせます。

例えばDSM-5は日本の多くの医療機関で採択されていますが、DSM-5のうつ病の診断基準である9項目のうち、5項目以上2週間あてはまる場合は、うつ病と診断されます。

③心理検査

①②を経た診察だけではうつ病と判断がつきにくい場合、補助的に心理検査などを併用することもあります。

有名な検査としては、医師や臨床心理士が質問形式で行うHAM-D、自宅やオンラインで患者が一人で行えるCES-DやQIDS-Jなどがあります。

【判断基準のみによる診断の限界】

うつ病の判断基準が明確に定められているのなら、患者が自分で受けたり申告で当てはめただけの判断基準のみでうつ病と診断を下してもいいのかといえば、決してそうではありません。

うつ病の症状は概ね目に見えず、文字の羅列でしかない判断基準のみで診断を行う事には限度があると考えられています。

例えば、判断基準に「落ち込みが続いている」という項目があった場合、患者本人が「これは当てはまる」と感じたとしても精神医学的にみて本当に病的な落ち込みが続いているのか、それとも正常内の落ち込みの範疇なのかは判断は難しく、専門家である精神科医が慎重に判断する必要があるといえます。

そのため、患者の感覚で「診断基準に当てはまっている」と判断した材料では診断としては不十分であり、精神科医がしっかりと診察をし精神医学的に診断基準を満たすかどうかの評価を行った上でないと、うつ病の診断は下せないといえます。