うつ病の検査方法~血液検査について~

うつ病の検査方法として代表的なものは光トポグラフィー検査ですが、最近ではその他の方法でもうつ病検査が可能なことが研究で証明されるようになってきました。

その中でも、血液検査は平成23年に発表された新しいうつ病検査の方法として大きな期待がかけられています。

どのようなメカニズムで、血液検査によりうつ病かどうかがわかるのでしょうか?

【血液検査でうつ病が分かる?!】

今までのうつ病検査は、患者の自己申告による問診がほぼすべてと言っても過言ではありませんでした。

精神疾患でなければ血液検査だったり、MRIなどの画像診断で病気の状態がわかりますが、うつ病にはそれが当てはまりませんでした。

ですが、血液中のある成分がうつ病の発見に大きく関わっていることが近年の研究でわかりました。

それにより、うつ病か気分の一時的な落ち込みかわからない、グレーゾーンの患者にとって画期的な検査方法となるに至りました。

【うつ病のバイオマーカー・PEA】

近年、うつ病を血液検査で判定できる物質として注目されている物質こそが「PEA」です。

正式名は「Phospho-Ethanol-Amine」でリン酸エタノールアミンと訳されています。

PEAは分子量の小さな化合物の集合体で、脳内に存在するリン酸アナンダミドから作られる物質で、それ自体は活性を持つことはありません。

ですが、リン酸アナンダミドはアナンダミドとPEAに分解され、PEAのみが血液内に流れていきます。

ちなみに、アナンダミドは主に脳の神経伝達物質の1つで、『快感』や『喜び』などといった感情に関わる物質で脳内麻薬とも呼ばれています。

アナンダミドが作られる過程で同時にPEAも作られますが、アナンダミドは脳に留まりその機能をつかさどり、血液検査にて測定が可能な物質はPEAのみとなります。

【PEAが低いほど、うつ病の程度が重くなる】

血液検査の結果、うつ病の患者はPEAの数値が低いということが研究で証明されています。

そもそもうつ病は脳内神経伝達物質の減少により発症するため、脳内のアナンダミドが減少すれば、連動してPEAも減少するからと考えられるからです。

健常な人の血液中のPEA濃度は2.0~3.0uMであるのに対し、うつ病患者においては血液中のPEA濃度は1.5uM以下となることが証明されています。

また、うつ病の程度が重ければ重いほどPEA濃度が下がるということもわかっています。

うつ状態が改善すれば、PEAも上昇するため患者自身も改善を実感できる指標といえます。